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ギア大百科

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FREECLIMBER 第一回目のゲストは、独特なクライミングセンス光るクライマー、永田乃由季さん。
クライマーになるまでのマル秘エピソードや今後の取り組みについてお聞きしました。

Q.クライミングをはじめたきっかけについて教えてください。

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永田:もともと僕は生まれが東京で、両親がやっていた飲食店の関係で中学の頃沖縄に引っ越しました。はじめは両親がやっていた飲食店の手伝いや、学校のバスケ部に入部していました。

そんな中、年に数回ある基地内のイベントで、クライミングウォールを登らせてもらいました。その瞬間にクライミングの虜になり、イベントが終わってからも登りたくてウズウズしていました。

調べてみたら家から歩いて5分の所に沖縄では当時唯一だった「沖縄やまあっちゃークライミングジム」がありました。教えてくれた加藤道造さん、沢山の岩場に連れて行ってくれた比嘉オーナー、常連さん達も良い方ばかりで、沢山のいい影響を受けることが出来ました。
それが僕とクライミングの出会いです。

 

Q.クライミングをやめたいと思った事はありますか?

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永田:一度も無くて、考えた事もないんですよ(笑)
あったとしても一つの課題を打ち込んでて痛くて連登がキツイなってたまに思うぐらいですね。

 

Q.はじめて完登した外岩の課題はなんですか?

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永田:はじめて完登した課題は正直覚えてないのですが、思い入れのある課題は沖縄の具志頭(ぐしちゃん)エリアにある「ストレート・ノー・チェイサー」2段の課題です。当時沖縄県で2段を登った最年少記録だったのを覚えています。今のユースの子達だったら簡単に登れてしまうと思いますけど(笑)
課題としてもとても魅力的でおもしろいので、沖縄に行った際はぜひ登ってみてほしいです。ただしハブには注意してください(笑)

 

Q.初心者やはじめて間もない方へのアドバイスはありますか?

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クライミングが上達しやすい人と、そうでない人

永田:上達していない人を見ていて思うのが目標の立て方が苦手なのかな?と感じます。これは初心者だけでなく、中・上級者にも言えることだと思います。

クライミングが上達しやすい人と、そうでない人を見ると上達しやすい人は「ここからここまで今日は頑張ろう!」とか「今日はこの壁の課題を全部登ろう!」とか具体的な目標を立てられる人だと思います。
そうでない人は漠然と登り始めちゃって、何だかわからぬまま一日を終えちゃっている人は上達速度が遅いと思います。
難しい目標でなくて良いので、その日ごとに明確な目標を持つ事が重要です。

それとトライしている課題を簡単に諦めないのがポイント。最低でも同じ課題に1〜2時間はちゃんと向き合い、なぜ出来ないのかを考えるのが重要です。根気強いスタイルの方が自分の弱みや長所とかも見えてきます。

また登れない課題があった場合、その課題を登れている人の動きを細部までよく観察する事。これをやるだけで大分違います。アドバイスとしては今言ったような「目標の立て方や取り組み方」がポイントです。登りに関しては「自分で考えて登る」事がすごく重要です。

色々なクライミングをする事

ボルダラーの人は最初から力が入った登り方になりがち。
もしリードクライミングでそういう登りをしちゃうと、下部は登れたとしても、上部で持久力が無くなってしまいます。リードや長手をやると「下部は力を温存しなきゃいけない」という意識が勝手に頭の中で働き、動きにも無駄がなくなります。
例えばボルダーだと最初の核心部を抜けるのもフルパワーでなく余力を残して抜けられるようになってきます。すると次の核心部が来たとしても余力があるからスムーズに登れます。

課題の途中から登れば完登できるという人が多くいますが、これはまさに今言った通りの事だと思います。
リードや長物課題なんかもやったほうがレベルアップに繋がると思いますし、何よりクライミングの楽しみ方が広がるので絶対良いと思います。

筋力トレーニングについて

僕個人の意見ですが筋力トレーニングは初心者には余りお勧めしません。中級レベル位までは登り重視にした方が良いと思います。
筋力トレーニングは初段~2段が登れるクライマーが、さらに上を目指す為に必要だと思います。そのレベルでないと体を壊す危険性があるからです。

クライミングは少しずつ段階を踏んでいくのが大事。例えばすでに登れている易しい課題でも、それを一番楽な方法で登れるよう考えてみる。これが筋力トレーニングよりもずっと重要。そうすることでムーブの引き出しも蓄積されていく。

イメージは、エンジン=筋力、ドライバー=体を使う技術。いくら良いエンジンを積んでいても操縦すら出来ないのでは無駄になってしまう。最初の段階は特に体の使い方を知ることが非常に重要です。

 

Q.普段の過ごし方や食事制限はどのようにされていますか?

永田:全くしていなくて、飲み過ぎないようにしているぐらい(笑)。
普段の食事も朝・昼・晩3食しっかり食べる程度で食事の制限とかはあまりやってないですね。コンペの直前に多少制限する程度で体重も昔からずっと変わらないです。

 

Q.盛り上がりつつあるクライミング業界についてどう思われていますか?

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永田:裾野が広がっていくイメージをするのが重要な気がしています。今まではどうしても、いわゆる「コア」な方にばかり目がいっていたのですが、少しずつクライミングを仕事にして生きていきたいという人が増えてきています。僕も含めみんなで上手く広めていくのが重要な事だと思います。

しかし広まるという事は岩場に行く人も増える。人が増えることでゴミ問題、駐車場問題、トイレ、事故など様々な問題が増えてしまう可能性がありデリケートな事でもあります。
「広める側(ジム、メディア、メーカー)にも責任がある」という意見もあり、僕も確かにそうかなという思いがあります。個人的な意見ではありますが、広める側も自然の中で遊ぶ上での注意点、モラル、ルール、清掃活動なども同時に広めなければならないと思っています。

クライミングのレベルに関係なく、すべてのクライマーが常にある程度のルールを頭の片隅に入れてくれているといいなと思います。
僕自身も、クライミングの技術だけではなくルールも伝えていけるように意識していかなければなりません。

また海外だと自然環境を保護するために働いているパークレンジャーの存在があり、日本にもこの職種が広まれば問題を軽減する事ができるのでは無いかと考えます。
外の岩場こそロッククライミング(岩登り)の本質だし、登る以外にも様々な楽しみ方や文化を教えてくれる要素を多く含んでいる気がします。
だから僕は岩登りを多くの人に体験してほしいと考えます。

 

Q.今後クライマーとしての目標やチャレンジしていきたいことについて教えてください。

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永田:今までもクライミングとの繋がりについて取り組んできたのですが、これからもっとクライミング業界発展の手助けになれるような事を中心に活動していきたいですね。

国内トリップ(旅)も勿論ですが、海外との繋がりも増えてきているので、海外トリップの楽しさをアピールしたいと考えています。特に最近僕としてはアジア圏に興味があるので、もっともっと繋がりを増やしていきたいと考えていますね。

日本とどこかの国との間で、クライマーがお互いの国へ岩場トリップをするというのが面白いかなと思っています。
その際の記録を映像化したりして、お互いの国で公開しあい、それをトポ代わりに他のクライマーも海外トリップに行く!そうする事でみんなでより楽しいクライミング文化を育てることが出来るのではないでしょうか。

とはいえ、もちろん岩場に他の国のクライマーが訪れるようになると様々な問題も発生すると思うので、慎重に進めていく必要はあると思います。今もプロジェクトをいくつか進めているので今後に期待して待っていてください。

海の家にクライミングウォール@サーファーズ

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永田:このプロジェクトのキッカケは僕が湘南は辻堂に住んでいた時にふと「海の家にクライミングウォールを作ったら楽しいんじゃないかな」と思い。当時知り合いでサーファーでもあったRumlime(※ラムライム、チョークバッグメーカー)のフジエダさんや、柴田MAX晃一君に声を掛けさせてもらいました。

フジエダさんは長浜海水浴場という小さなビーチで一度クライミング壁を作ったこともあったそうです。それを逗子海岸に移転させ内容新たに大きくするという話になり、フジエダさんと共に逗子海岸にクライミングウォールをOPENしました。飲めるだけじゃなく遊べる海の家の誕生ですね。

しかしやり始めると二ヶ月間は炎天下の海の家に付きっきりだったり、
怖い人に出会ったり、運営的にも苦しかったり。もちろん非常に楽しかったし、良い出会いも沢山ありましたが、なかなか大変だったのが実際の話ですね。

僕自身も都内に引っ越してしまい、逗子海岸自体が色々あったりして今は運営しにくい状況みたいです。けどまたあのオアシスは復活させたいです!しかもやるならもっともっとパワーアップして(笑)

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GOOUTCAMP x クライミングウォール

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永田:これは知人の紹介でGOOUTの方から相談を受けたのがキッカケです。
GOOUTっていう雑誌が主催のキャンプイベントが定期的に富士山の麓のキャンプ場で行われてるんですが、このキャンプ場に壁を作って運営しましょうって話になったんです。
はじめて開催した時はドキドキでした。でも初めてクライミングを体験する人も多く、なかなか好評で。毎年やるようになったんです。

2014年は新しい取り組みとして、トップクライマーを呼んでエキシビションマッチを開いたんですが、これは大盛況で終わる事が出来ました。
今後はこの壁を使ってもっと面白い企画が出来たらと思います!

 

Fish and Bird、 Rino and Birdチーフセッターとしてこだわりや良さを教えてください。

Rino and Bird (ライノ・アンド・バード)について

永田:Rino and Birdの取り組みとしては、その日に出来た課題を同じレベルの人がトライしあうセッションを重要視していますね。そうすると自分の弱いところも分かるし、単純に楽しいし、仲間も出来やすいって思うんです。

ライノの壁はセッションを重視しているので「まぶし」っていう方法で壁にホールドをたくさん並べていて、課題が常に生まれやすいようなセットをしているのが特徴です。欲しい所に求めているホールドがあったり、課題が作りやすくなるようにしています。

Fish and Bird (フィッシュ・アンド・バード)について

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Fish and Birdは1階で新しい取り組みにチャレンジしています。セッション方式はもちろんだけど、一本一本をしっかり登ってもらう事をコンセプトにしていますね。
具体的にはBOTANIXさんに手掛けてもらった滑らかな曲線の壁がまずあります。そして設定する課題のイメージを例えると、外の岩場で「この岩かっこいい」「ここ登ってみたい」とクライマーの感性に訴えかけるような課題作成を心がけています。

あとは見た事のない動きを取り入れるようにしています。外岩では出来ない事、人工の壁でしかできない事っていうのをドンドン突き詰めて「外岩よりも面白い課題を作ってやる!登るだけなら人工壁が一番面白い!」ぐらいな気持ちで作っていますね。もちろんオーソドックスな課題も取り入れるようにしていますのでご安心下さい。

もっと深い話をすると、課題はサーキットにしているんですけど、課題がピンク(7級)とか赤(6級)になると一本一本にテーマが決められていて、全課題を通して登ると必然的にクライミングに必要な能力が自ずと吸収されていくように設定しています。これは初心者の方にぜひサーキットで登って欲しいですね。

課題の特徴として、4級からムーブの要素が多くなってきます。特に3級以上はムーブに加えてパワー要素も徐々に入ってきます。がむしゃらに力任せで登ったままの人だと取り付きづらいかもしれません。
そうなる前に低グレードを順番に丁寧に登っていく事がポイントです。

Fishの2階はRino and Birdと同様にセッションが出来るようにしていて知らない人同士でもセッションして仲良くなれるよう考えているのですが、まだ雰囲気造りは出来ていないのが現状ですかね。
これからはもっと課題を提供していきたいと思っています。

 

FIVE TEN #03:Nobuyuki Nagata in GEROCK

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永田乃由季
クライマー

沖縄出身。
ユニークなキャラクターと、独特のダイナミックムーブが印象的なクライマー。
Team5.10、ドラゴンを愛用。

沖縄クライマーnobuブログ

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